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今までチマチマ書いてはぶん投げて、縋ってみては殴って、小刻みに震えて此方を見ている文章はサラッと全部消せました。今日は私がずっと震えている。正しくはここ最近ずっと震えている。打つ薬指は内出血が酷いし、上塗りする緑は同情した眼で私を仰ぐ。「だから言ったじゃないッスか~。もっと野菜食べた方がイイッス!」煩い。でも、私が緑と気が合うかも?と思えたのはここ最近で、今まで近くに来た時もなんか暗い奴だし私のセンス?凡人にわかる?的な雰囲気が気に食わないし、そもそも野菜だし、何も流れていないで存在しているテイが嫌いだった。緑も緑で社会に揉まれたのか舎弟感を出してきては、へつらへつらと私の機嫌を取るようになったけれど「だから言ったじゃない」というワードから匂わせる根本の高飛車は治らなかったようで、いちいち私を不快にしては、赤を刺して大人しくさせる、というお決まりパターンが出来上がった。「私と居て楽しいの?」「いや、全然!でも、貴方が暗いから、それを見ていたら自己肯定感が上がるっス!今後もお見知り置き下さい!」くたばっちまえ。と思う所までがセットになったけれど、私が何故みんなこんなに歩くスピードが遅いのとワンワン泣いた時、顔を真っ赤にさせて競歩で追いかけてくれたのは緑で、震えが止まらない薬指をしっとり舐めてくれたのも緑だった。膝の後ろを触るとキィキィ泣く緑。泣きながら頑張って笑う緑。顔が気持ち悪いと冷める私。紫をぶち込むと黙る緑。「こんなに尽くしてきたのに」と嘆く緑。言葉が気持ち悪いと冷める私。緑は顔を歪めながら「また明日ね。頼ってね。」と嗚咽吐きながら伝えてくる。「本当に気持ち悪い奴だなぁ。」と発してみると、嬉しそうに笑う。「嫌悪だとか、その感情の種類が何かという所は割とどうでも良くて、その感情の大きさが大事ッス!どんな感情も最大になると、それは好きってことッス!」そう言うもんかぁ?一理ある気もする。緑は私の顔を見ると満足気に踵を上げて帰った。「好きだったのかぁ。」納得した私はそそくさと家の鍵を替えた。もう緑とは一生会いたくない。