「泥濘に浸かりすぎるのは良くないよ」

3月28日20時35分、帰路をテトテト歩いて900m程度進んだ所で私は分裂しました。私(仮)は私には到底真似出来ない程上品に口角を上げ、私には到底真似出来ないほど甘味を帯びた頬で、3回濾過した言葉を生成しました。Aはその後私を通り越しスキップで駅に向かいました。

 

翌日緑に会うと「そう言えば昨日影子さんと会ったッス。」と報告してきました。私は非常に嫌な気持ちになりました。結果いつも影子が生まれたときはみんながみんな奴を褒めます。「すごく優しくて、膝に寝転がらせてくれてずっと中指を撫でてくれたッス!」と上機嫌に報告を続ける緑。緑は唯一私と影子の見分けが付く立ち位置に座っています。私はあからさまに悄気げました。世界で一番面倒くさいムーブをかましてみました。すると緑は言います。「でも正子さんの方が好きッス!」なんで?「正子さんは俺を馬鹿にしていないからッス!」私はこっそり少し泣きました。正子って呼び方ダサすぎないか?ツライ。私はお礼に緑の人差し指を細かく刻みました。もうその人差し指を誰にも向かわせたくないと思ったからです。次に唾液を込めた人差し指で緑の額に「の」の字を書きました。「アヘァ」と緑の脇腹が音を鳴らします。とても下品だなぁと感じました。その路地裏で、私は影子に成りたいと、独り言を言って3月が終わりました。

 

そんなわけで、4月以降は心機一転影子をモロ出しして明るい人生を歩んでいきたいと思います!今までの私が好きだった人はごめんなさい!別れを告げる間もなくさよなら!残念ですが新しい私を愛してください!私も新しい私を愛でられるよう意識して生きて参りたいと思います!インスタも始めちゃうよ!あほくさ